結論から述べると、私が改造計画を提案し、実行に移した男の子は、とんでもない大穴でしたとさ。


 終わり。


 何を言っているのだと言われると思うのだけれど、これ以上に短絡な文章は思いつかなかった。

 分かりやすさは別として。

最初から説明した方が、この場合はいいのかもしれない。

 それではまず経緯から。

 先日、立ち入り禁止にされているはずの仮設校舎で運命的に(ただの偶然)出会った私と橘は、久しぶりに会話を交わし、その中で私は彼がしている不毛な恋の話を聞いたのだけれど、なんというか、その話があまりに馬鹿馬鹿しくて、報われなさすぎて、一言で言えば「助けてあげたい」と思ったのだった。


 努力しなかったから、不幸になったんだよ。

 なんて言われて切り捨てられてしまったら、世の中すべてが努力主義になりかねないし、実際問題、努力をしたからと言って、見合った結果が報酬として必ずついてくるという世界線ではない以上、そんな言葉は抗力を持たないし、ただの拷問だとさえ思う。


 だからこうして、今回の私のように、横から手を貸してくれる者の存在があっても悪くはないだろうと踏んで、私は彼のプロデュースをすることにしたのだった。