「自分を責めて生きるなら、その逆だってできるはずだろ? お父さんのおかげで今日も生きてるよ、毎日楽しいよって墓参りで言ってやれるくらいになればいいよな」
「……そうだね」
「まあ、俺の言うことなんてほとんどキレイゴトだけどな。もう一人の子供とはいえ、血の繋がってない、ただのご近所の俺の言葉をお前がどこまで飲み込むかなんてわかんねーけどさ」
そして彼は言うのだ。
長年私と共にいた彼にだからこそ出来る、二宮悠希だからこそできる、彼なりの励ましの言葉を。
「ダマされたと思って、お前の惚れた男の言うことを信じてみろよ」
「ばっ! ……ばかじゃないの」
いたずらにはにかむその顔に、悪口にもならない暴言を吐き、私は咄嗟に顔を反らす。
「はいはいバカですよー。来年は、一緒に墓参り行こうな。そんで、明るい報告をしよう」
悠ちゃんの言葉に私は、
「うん」
そう、力強く頷いた。