「あのね、私……今朝、夢を見たの」
私は悠ちゃんに今朝見た夢の話をすることにした。
悠ちゃんなら、何か解決策になる答えをくれるかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら。
私はゆっくり、はっきりと目の前にいる悠ちゃんに向かって夢の内容を話す。
嫌な夢ほど鮮明に記憶しているもので、私が夢の説明において困ることは何もなかった。
悠ちゃんは私の話を聞いた後、ほんの少し思い詰めた顔になって、その後、真剣な顔で言った。
「お前、思い詰め過ぎなんだよ。一つ言っておくけど、父さんが死んだのは、あれは完全に事故のせいだ。他の誰でもない、ただの事故。当然、琥珀のせいなんかじゃない」
「でも……お父さんはあの時、私がボールを追いかけて道路に飛び出さなければ死ななかったかもしれないのに」
慰めの言葉は当時、散々聞いた。
あの事故が私のせいではなかったとしても、お父さんが亡くなった事実は変わらず、「私が殺したのかもしれない」という可能性は消えていない。
だからこそ、私は今もこうして過去に囚われているのだ。
「かもしれないって言葉、俺は嫌いだな」
悠ちゃんはペットボトルのお茶をこくりと飲みながら言った。