「おい悠希! 妹はいるけど、ボクは別にシスコンじゃない」


「そうは見えないけど」


「違うって!」


 喧嘩腰になってきた二人の会話の仲裁をしたところで、一限は終わった。

 後日談。

 私は合宿の前日、七海からとあるお願いをされた。


「あのね、七海と廈織くん付き合うことになったから。合宿の夜は二人にしてね。協力お願い」



 私は七海から、何も報告を受けていなかったのでとても驚いた。


 合宿において男女間の部屋の移動はご法度だが、あまりに突然の告白に、私は言われるがまま首を縦に振っていた。