今さらどうしてあんな夢を見たのか、理由は分からない。

 一つの要因としては私が未だお父さんの死に自分勝手な罪悪感を感じているからなのかもしれないが、それは今に始まったことではない。

 私はあの日、お父さんを亡くしたあの瞬間から、ずっと後悔しているのだから。

 いくら自分自身を責めたところで、お父さんが帰ってくる、なんてことはないのだけれど、そうせずにはいられない。

 私は、事故当時、私をひたすら慰めてくれた――――お母さんみたいに、強くはなれない。

 お父さんは――――私を怨んでいるだろうか。

 当時のお父さんと言えば、年齢もまだ三十代手前で、人生これから、という感じが遺影からも滲み溢れている。

 そんな人の未来を、私は奪ってしまったのだ。

 そう思うと、胸の奥がはち切れそうなほど鈍く痛み、体面の変化として肺が上手く機能せず、呼吸が苦しくなる。

 あまり考え過ぎると体に毒だと分かってはいるけれど、思考は私の意思を通り越して加速しながら根を張り枝を増やしていく。

 頭では、分かっている。


「はあ……」


 分かっている、つもり。