「そっか、そうなんだ……まあ、そうなのかなって思う時もあったけど、やっぱりそうだったんだね」
「き、気付いてたんだね……ははは」
予想外の反応に、全身の血液が騒ぎ出し、首から上へとせり上がる。
言われてみれば私の行動に不自然さがあった事実は否めない。
放課後、廈織くんを見つけては二人で帰ることもあったし、旅行中は当然のように二人でいる時間が多かったように感じる。
本来大した接点がない私たちが急に仲良くなったように見えても不思議はないのかもしれない。
そう考えたら急に気が抜けてしまい、私はへたり込むように体育館の裏口にある石段に腰を下ろした。
「琥珀ちゃんもほら、座って」
彼女を自分の隣に座るよう促し、私たちは並んで石段に座った。
「ねえ、希望ちゃんはいつから廈織くんのことが好きなの? もしかして、もう付き合ってる?」
「んー、悠希と別れて私がちょっと荒れちゃった時にね、廈織くんが私を慰めてくれて、支えてくれたの。好きになったのは多分その頃。残念ながら、まだ片思い中よ」
「えー、絶対付き合ってると思ったのになあ……でも、話聞く限りでは結構脈アリなんじゃない?」
「だったらいいんだけどねえ」
気が付けば、自然に彼女と楽しく話すことができていた。