「渚(なぎさ)、葵(あおい)。確かに私、最近悠希とうまくいってないって話したけど、それが琥珀ちゃんのせいだなんて言ってないわよ」


「……ごめん」


 希望ちゃんの友達はバツが悪そうに謝罪した。

 二人が去った後、私たちはその場で会話もなく立ち尽くしていた。


「座って話そう? そういえば、こうして話すのって初めてだよね」


 希望ちゃんは苦笑しながらコンクリートの階段に腰を下ろした。

 私も続いて腰を下ろす。


「私たちのなれ初め、聞いてもらえる?」


 希望ちゃんのお願いに、私は首を縦に振った。