「は? 反論するの?」


「だから、私と悠希は家族みたいなもんなんだって……」


 悠ちゃんとの仲を噂されるようになって数日、私は彼を「悠ちゃん」と呼ばなくなった。それには理由があった。

 なんだか幼い頃の思い出を丸ごと他人に否定されているようで、悲しかったから。

 
「あたしらの言うことは無視するってこと?」


「だから、こっちの話も聞いてよ……はあ」


 私の家庭事情など知る由もない二人は苛立ちを募らせていく。


「あんた、いい加減に――――「何してるの?」