「無理だよ~。こんなの。分からないよ」
夜中の受験勉強が、なかなか捗らない。

私は、部屋の窓から見える月にペンを向けた。

「あ~ぁ、月が先輩で、このペンがキューピッドなら」
「射るのにな……」

よく、受験勉強に恋愛が入り込むと、集中が出来ないと、
だから、その前に何かしら整理をつけておけ!

だれが言った話かは知らないけれど、
「本当よね。」

一人呟くも、また机に向かう。
そんな毎日だった。

それもこれも、憧れの先輩が進学した高校へ行くため。

「でも……。もう、もしかしたら。」

受験勉強に恋愛が入り込むと、集中が出来ないと、
だから、その前に何かしら整理をつけておけ!

再び、頭をよぎるがフト思った心配事はそれではない。