「もう離さないよ」

彼が私を抱きしめ囁く。

私は、私の体に蔦のように絡まる腕の中で、

静かに頷いた




あの気持ちにお互い嘘偽りはなくとも、

世の中には、難しく揺れる心がある事を知った。

「約束……か」