コツンコツンと足音。

「丁度この辺よね。出会ったのは。」

そこには、昔の想い出が詰まった懐かしい景色が広がっていた。
良子はそこでくるりと一回転。懐かしい慕情を胸につぶやいた。

「もうそろそろの時間かな?あはは、やっぱりそんな事ってありえないよね。」
ふぅ。と、ため息をつき少し夕暮れを見ながら坂道を歩いた。

今日の夕暮れはとても綺麗で、奇跡さえおきそうな雰囲気だったのに。っと。

「キャッ!」

思わず私は石につまづいてしまった。

「ありゃりゃ」
と、その時。


バサッ……、人の胸に体ごとぶつかってしまった。

「あ、すみませんです」頭を下げる。

「相変わらずドジだな。良子。」

「え?」