月菜が呪われて、眠らないように書き殴ったあの言葉。


私達は四人で集まって話をすることで眠気に耐えられているけど、月菜は一人だった。


私達と同じように、たとえばここで時間を潰していても、一人では眠気に負けてしまうかもしれない。


そこまで追い込まれた状態で作り出した「呪いのコピー品」。


きっと、そうなるとは思っていなかっただろうけど、私達も気を付けなければ、呪いを複製してしまうかもしれないって事だよね。


「お、俺達はあの言葉を書かないようにしよう。書いてしまえば、万が一俺達に何かあった場合、周りに迷惑が掛かってしまうからな……」


「な、何かって……何よ」


そんなの聞かなくてもわかってることなのに。


摩耶は、自分がそうなるとは考えたくないんだろうな。


「決まってるだろ……死だよ。あの言葉を見る人数が多ければ多いほど、広範囲に呪いが伝搬する。まるで呪いのネズミ講だよ」


無限に連鎖する呪い……か。


これがまだノートで、私達の目にしか触れていないから被害は少なくて済んでいるけど、もしも……SNSなんかで発信してしまったら。


それは、瞬く間に世界中に広がってしまい、世界中が呪われてしまうってことなのかな。