「俺が考える!?いや、まあ……お前らが眠くて頭が回らないなら、俺が考えるしかないか。でも、わかってるのか?知ってはならない言葉を知って、見たくもない白い夢なんてものを見ている。回避策があるならとっくにやっているし、困っていないだろうってことを」


「小難しい話はいらねぇよ。じゃあどうすれば見られなくなるんだよ。さっさと考えろ」


「いや、だからそれが出来たら……くそっ!寝惚けてるのかよ」


眠すぎるとまともな会話すら出来なくなる。


それをわかっているのだろう。


光星は出るはずのない答えを考えるという、無理難題を押し付けられたのだ。


「そんなのわかるはずがないだろ……そもそもこのノートだって、どうして早瀬の机に入っていたかわからない。いや待てよ?これは本当に早瀬のノートなのか?」


ブツブツと独り言を呟きながら、ノートの表紙を捲る。


だけど、その表情を見ると、答えを聞かなくてもわかった。


間違いなく、お棺に入れたノートだってことが。


「くそっ!こんなノートがあるから!白い夢だって!?何が白い夢だ!これのせいで……ん?シロイユメ?」


イライラし始めた光星がノートを見ていると、何かに気付いたのか、首を傾げて一箇所を食い入るように見詰めた。