私達の顔を見て、不思議そうに首を傾げる。


不思議なのはこっちだよ。


どうして私達は、寝ても眠気が全く取れてないのに、光星はこんなにもスッキリしているのか。


「寝たはずなのに、まるで一睡もしてないみたいに眠いんだよ。気を抜いたら、すぐにでも寝てしまいそうなくらいに」


摩耶がそう答えると、光星は自分が眠くない理由を考えようとしているのか、髪を搔き上げて目を細めた。


「俺とお前らの違い……俺は最初の日、出口から出た。殺されたのは昨日の夢が初めてだ。このアザが付いたのは」


そう言って額を人差し指でつついて見せた。


「それが原因かはわからねぇけどよ。俺達は眠くて頭が回らねぇ。眠くねぇなら、お前が考えるしかねぇ。呼んだのはその為だ。お前が白い夢で何をしたかとか、ぶっちゃけもうどうでもいいわ。白い夢を見なくて済む方法を考えろよ。まあ、他にも考える事が増えたけどな」


なるほど、睡魔と戦うことに必死な私達が考えても、ちょっとした言葉一つで、イライラして喧嘩になってしまうかもしれない。


海琉と喧嘩をしているとは言え、頭が回る光星が考える方が良いのは誰が見てもわかったから。