私達は、光星を連れて廊下に出た。


昨晩と違って、海琉が階段の前で私達を待っていて、上を指さす。


一体どこに行くつもりだろうと、後を付いていくと、二階の渡り廊下を通って別棟に。


私達普通科の教室とは別に、こちらには美術室や音楽室、パソコンルームなんかがある。


一階には校長室や職員室なんかがあって、比較的静かな場所だ。


「どこまで行くつもりなの?」


「あ?話の邪魔をされたくないだろ。誰も来ねぇ場所に行くんだよ」


確かにここは授業でもなければ、トイレ以外の目的で来る生徒はいないと思うけど。


そして、海琉に連れられてやって来たのは三階の、屋上に出るドアの前。


そこの前に置かれていた机の上に腰を下ろして、見下ろすように私達を見た。


「ここで何をするつもりだ海琉」


「光星……お前、随分スッキリしてるよな。まあ、手を食われたのは、ソレを見ればわかるけどよ」


光星の左手には私達と同じような人の顔。


ハッとした表情を浮かべて、慌てて左手を触る。


でも、確かに海琉が言うように、光星は私達と違って眠そうな顔をしていない。


「なんの話だ。そういうお前は、随分眠そうな目をしてるな。いや……若葉も……摩耶も?」