「でも、このままだと私達、月菜みたいになっちゃうよ。もうあんな夢見たくない。どうやったら見ないで済むの?」


私の言葉に、眠そうな目を擦りながら尋ねた摩耶。


そんなの……眠らないようにするしか方法が思い浮かばない。


月菜がやっていたように、ノートに文字を書き続けるとか、海琉みたいに身体を動かし続けるとか。


「見ないで済むなら俺だって方法が知りたいぜ。なんだってあんな夢を俺達に見させるんだよ。何か意味があるのかよ」


「意味なんて……わからないよ。そもそも白い物なんて見た事も聞いた事もなかったし、あの廃校舎だって行ったことがないのに」


夢だからと言われればそれまでなんだけど、海琉が疑問に思うのも無理はない。


話していると、次に光星が教室に入って来た。


その顔は、昨日の事を恨みに思っているのか、眉間にシワを寄せて。


離れた場所でも私達を睨んでいるのがわかるくらいだった。


「おい、お前達……」


と、私達を指さしながら近付いて来たけど、ドンッと机に当たって、しまったのだ。


その机は月菜の机で、花瓶が倒れそうになって、慌てて花瓶を掴んでいた。


その直後、私達の目の前で、ありえない事が起きたのだ。