「そんな……じゃあ、触ってみるまで誰の出口かわからないってこと!?こんなの、光星が言った方法なんて使えないじゃない……」


「そういうことだな。一か八かのギャンブルで、誰かが出口前で白い物を引き付けるか、見付からないように逃げて、自分の出口を探すかどっちかしかねぇよ」


それは、どうしようもない結論だった。


海琉が「出口前で」と言ったのは、それ以外の場所でも白い物を引き付ける事は出来るけど、それだと完全に身動きが取れなくなることを意味している。


逃げられる手段がある「可能性」の話で、それも四人いるなら四分の一の確率になる。


「……ご、ごめん。私はてっきり、騙されたかと思って。よく考えたらわかるはずだったのに。眠さで頭が働くなくて……」


「お前もかよ……全く。一体どうなってんだこりゃあ」


摩耶も徹夜明けのような眠気に襲われているのだろう。


私達はまだこうやって、白い夢の事を話せる相手がいるから眠気を誤魔化せるけれど、これが一人だったらと思うと……月菜の絶望は計り知れない。


「イライラするのはわかるよ。でも、これで喧嘩になっちゃったら、私達は白い夢で協力なんて出来なくなるよ」