「おっとっと……なんで。こんなにフラつくんだろう」


靴を脱ぎ、壁に手を付いて、何とか歩く。


嘔吐してしまいそうな、腹部の気持ち悪さが問題だよ。


お腹は空いているのに吐きそうなんだからたまらない。


そして目が疲れているというか……瞼が重い。


まるで、徹夜した時の朝のような疲労感。


気を抜けばすぐにでも眠ってしまいそうだ。


「悪夢とはいえ、十分眠ったはずなのに」


昨日は大丈夫だったのに、今日はどうしてこんなに眠いのか。


体調不良で学校を休むという手もあるけど、家にいたら睡魔に負けて眠ってしまいそうだ。


月菜も……こんな感じで学校に行かざるを得なかったんだろうな。


制服を持ったまま、シャワーを浴びようとお風呂場に向かう。


この眠気も、シャワーを浴びれば少しは覚めるかもしれないから。


「月菜がどうして学校に行ってたかわかるよ。私達の誰にも相談出来なかった理由もさ……」


脱衣所で服を脱ぎ、汗にまみれた身体を流す為に浴室に入った。


私だって、他のクラスメイトにあの言葉を教えて、こんな事に巻き込もうなんてとても思えないから。


誰にも助けを求められないまま、月菜は苦しんで死んだんだ。