一体何が起きたのだろう。


摩耶のあの声からすると、出口から出る前に殺されたのだということは容易に想像出来る。


もしそうだとしたら……なぜ?


すぐにでも悪夢から目覚める事が出来たのに。


布団の中でぼんやりと目を開けて、そんな事を考えていた私は、白い物に噛まれた腕を、袖を捲り上げて見る。


付いてる……不気味な人の顔が。


最初に付いた首の顔よりも濃い黒。


これが、私達四人にしか見えないというのだから不思議なものだ。


二度死んだ……もう二度とあんな苦しみを味わいたくないと思っていたのに。


昨日のは、初日に味わったよりもさらに苦しくて、身体の内側から命を切り刻まれるような辛さだった。


朝が来たのは、窓の明るさからわかる。


悪夢から覚めたということは……また眠れば悪夢を見てしまうということ。


そして感じるお腹の気持ち悪さ。


あんな苦痛を味わったら、そりゃあ身体のどこかがおかしくなっても不思議じゃないよ。


そんな事を考えながら身体を起こしたけれど……なんだか、不調はそれだけではないような気がした。


頭がフラフラする。


まだ完全に目が覚めていないとか、そういう感じじゃない。