「なんだよそれ……ふざけるなよ。出口を見付けたって、また同じ夢を見るんじゃ意味がないじゃないか!なんなんだよそれ!」


顔を歪ませて、やり場のない怒りをどこにぶつけるわけでもなく、光星が声を荒らげる。


私と摩耶の表情も暗い。


あの苦しみを、一体何度味わうことになるのか。


全くと言っていいほど先が見えなくなってしまったのだから。


でも、そんな中で海琉が口を開いた。


「じゃあ、意味がないって思うなら、お前が白い物を引き付けろよ。俺達が出口を探すまでな」


「な、なんでそうなる!」


「なんでじゃねぇだろ?お前以外は全員1キルされてんだ。お前が一度も殺られてねぇのは不公平だろ。俺と若葉を裏切ったのによ。それにな、お前が無意味だって言った、一度でも殺されずに目覚める出口がほしいんだよ、俺達は。あんな苦しいのは二度とごめんだからな」


冷たく言い放つ海琉に、私は……何も言えなかった。


誰かを犠牲にして助かりたいとか、そういう思いじゃない。


ただ、殺されずに目が覚めるなら、それにすがりたいという気持ちは確かにあったから。


何度もあんな苦痛を味わった未来が月菜なら……そうなることだけは避けたかった。