「あのさ、光星怒ってた?ちょっと言いすぎたかなって思って」


『若葉は大丈夫だよ。それよりも海琉の方がまずいと思うよ?ずっと文句言ってたもん』


「ああ、そうだよね。ナイフを押し当てられてたもんね」


摩耶と電話をしていて、時計を見ると22時。


寝るには早すぎるという時間ではないけど、寝たくないという思いが強かった。


『でも、海琉と若葉が怒る理由もわかるけどね。光星だけ、あの苦しみを味わってないわけだし』


摩耶も、少なからずそう思っていたのか。


私達四人はそれなりに仲が良くて、皆仲が良いと思っていたけど……その中で光星だけがあっさりと白い夢から抜け出して、私達は死の苦痛を味わった。


その時点で新しい共通点が生まれて、光星は違うと思うようになってしまったのかな。


同じ白い夢を見た仲間なのにさ。


『ふぁぁ……なんだか眠くなってきちゃった。ずっと起きてようかなって思ったけど、難しいね。もう寝ようか?』


「うん、そうだね。少し不安が和らいだよ」


私も昼間、ずっと動き回っていたせいか、疲れて眠くなってきた。


寝てしまったら白い夢を見てしまうかもしれないけど、もしかしたら見ないかもしれないという淡い希望はあった。


もしも白い夢を見ても、海琉と摩耶がいるから大丈夫。


なんて思いながら。


摩耶との通話を切り、靴を履いたまま布団の中に入って目を閉じた。