そして、夜が訪れた。


私は家に帰って、家族と一緒に夕食を摂る。


何も言わずに食事をする私を、皆「友達の葬式があったから悲しんでいるのだろう」とでも思ってくれたのか、無理に会話をしようとはしなかった。


食事を終えて、部屋に戻る前に、玄関からあまり使っていない靴を一足持って来た。


「ふぅ……気が滅入るなぁ。あんなこと、言わなきゃよかった」


時間が経つと、自分の言動に後悔してしまうということがあるから自己嫌悪に陥る。


他人事には感じたけど、光星だって考えてくれたんだし、あんなに言わなくても良かったかな……なんて。


白い夢は見たくないから、寝ないという選択肢もあるだろうけど……長い夜をどうやって過ごそう。


まだ早いと思いながらも、靴下と靴を履き、夜に備える。


今日はパジャマではなく、動きやすい普段着で眠ろうと決めていた。


「夢の中でもパジャマだったもんね。自分だけが見てる夢だと思ってたから何も思わなかったけど、今考えたらちょっと恥ずかしいよ」


きっとこうすれば、夢の中でも今の服装のはず。


ガラスを踏んでも、足の裏を怪我することはないだろう。


今思えば、夢の中で怪我をしたから、起きた時に怪我をしていたんだ。


それか、白い夢なんだ。