私が尋ねると、光星は首を傾げて。


「どこだろうな、あれは。廊下の間にある部屋に入ったら、白く光ってる物が浮かんでたんだよ。で、なんだろうと思って触ってみたら……目が覚めたんだ」


「そうそう。何か気味が悪くて、光星に調べてもらったら、光星も光も消えちゃって。それで私は一人になっちゃったんだよ」


白い光……か。


光星がそれに触って目が覚めたと言うのなら、それが出口で間違いなさそうだ。


「じゃあまず、その光を探さなきゃならないんだね」


「そういうことだな。でも、失敗しても諦めるんじゃないぞ!何度かやれば、絶対に白い夢から抜け出せるはずだ!」


光星は私達を応援してくれているようだけど、また白い夢を見るかもしれないと思うと気が滅入るんだよね。


そう考えて、ハァッと私が溜め息をついた瞬間。


「おうコラ、知ったような事言ってんじゃねぇぞ。テメェはあの苦痛を知らねぇだろうが。なんなら、今この場でその苦痛を味わわせてやろうか?あ?」


テーブルをドンッと叩き、ステーキナイフを光星の首に押し付けた海琉。


まるで、本当に殺そうとしているような殺意に満ちた目で、隣にいる光星を睨み付けていた。