光星と摩耶の会話に割り込み、私が思ったことを尋ねる。


仮に誰かがずっと白い物を引き付けていても、最後には一人になってしまうのだから。


「それは、早瀬が一人で白い夢を見たのが最大の不幸としか言えないな。まあ、運が良ければ白い物に見つかる前に出口を探すことだって出来ただろうけど。早瀬は運がなかったってことだ」


「つまり、一人になったら白い物に見つかる前に出口を探せってこと?運が悪かったら月菜みたいになっちゃうかもしれないんでしょ?」


「複数人いる利点を活かすんだよ。もしも見付かってしまったら、誰かが白い物を見る。動きを止めている間に、他の人が出口を探して上手く白い物を誘導する。白い物を見ているやつが出口の前で動きを止めて時間を稼げば……」


光星がそこまで言って、私と摩耶は顔を見合わせた。


白い物を見た人はろくに動けないと思っていたけど、それを利用して白い物を引き付けるのか。


「なるほど!それだったら他の人は安全に出口を探せるね!さすが光星、頭良い!」


「ちょっと待って、摩耶と光星は出口を見付けたかもしれないけど、出口ってどこだったの?それに、出口を見付けたならどうして摩耶は出られなかったの?」