しばらくして、私達はクラスメイトよりも早めに学校を出た。


昨日、お通夜をやったセレモニーホールに向かってはいるけど、私達の空気は重い。


白い夢、知ってはならない言葉、そしてその意味。


私達に悪いことばかりで、暗くなるなと言う方が無理だ。


それに、今向かっているのは……月菜のお葬式会場。


「ほ、本当にお葬式に行かなきゃダメかな……これ以上怖いのはもう嫌なんだけど」


「バカ言うなよ。行かなかったら、それこそ早瀬に呪われそうだ。行っても呪われそうな気がするけどな」


「何それ。結局何をしても呪われるかもしれないってこと?」


呪われる……か。


少し前なら、そんなものは存在しない、ただの言葉だって思っていたのに。


今ではそれは実在すると思っている。


この、人の顔に見える黒いアザもそうだけど、私達にしか見えない月菜もまた、その呪いの一つなのだと思うから。


「でも行くしかないだろ。いくら俺達がこんな目に遭ってると言っても、クラスの皆が行くんだ。俺達だけ行かないってわけにはいかない」


「そうだよね……はぁ」


気付けば、光星と摩耶、私と海琉が並んで歩いていた。


少し違和感を覚えたけど、この時は特に何も感じてはいなかった。