しばらくして、摩耶がやって来た。


摩耶は……左の太ももに例のアザ。


話を聞くと、やはりあの夢の中を見たらしく、光星がいなくなった後、幽霊に追い付かれて左の太ももに噛み付かれたようだ。


四人が四人、全く同じ夢を見て、出口から出られることが出来たのは光星だけ。


これが意味するのは一つ。


ノートに書かれた「白い夢」を、私達が見ているのだということを意味していた。


「てことは何か?俺達は四人であの言葉を知ったから、四人で同じ夢を見てるけどよ。早瀬は一人であの夢を見てたのか?」


「た、多分そうだよね。でも、あの白い物は見続けてないと動くじゃない?私達は四人でいたから、誰かが見てれば大丈夫だけど……」


海琉と摩耶の言葉を理解した瞬間、月菜にとってどれほど辛かったかがわかった。


もしも白い物に見つかったら、誰の助けも得られずに、ただジッと見続けなければならない。


そのまま後退したとしても、視線が遮られた瞬間、恐ろしい速度で迫って来る。


延々とそれを繰り返して、出口にたどり着かなければならないのだ。


言葉にすれば簡単に思えるけど、あの白い物は……ジッと見続けると頭がおかしくなりそうな恐怖心を植え付けてくるから。