「朝から何で怒ってるんだよ。相変わらず理不尽なやつだな。それより若葉、早瀬のノートに書いてあった『白い夢』だけどな、あれはもしかして本当かもしれないぞ?」


光星にそう言われて、私はドキッとした。


もしかして、昨日の夢がそうだったのかな……なんて、思わなかったわけじゃない。


でも、信じてしまうと怖いから、なるべくただの夢だと思うようにしていたのに。


「ど、どうしてそう思うの?」


「あ、ああ。昨日俺は酷い夢を見たんだよ。古い……どこかの廃墟になった学校みたいだった」


私が尋ねると、光星は少し戸惑いを見せたけれど、ポツリポツリと話し始めた。


と、同時に、海琉の表情が険しくなる。


「そこで、俺はお前達と一緒にいて、学校から出る為に玄関に向かったんだけど、そこでヤツに出会ったんだ。『白い物』にさ」


それって……私が見た夢と同じ?


でも、その続きって確か……。


「気を付けろよ。『白い物』は目を逸らしたら襲って来るからな。夢の中で、若葉と海琉はヤツに噛み付かれて……俺は、摩耶と一緒に出口を探したんだけど、俺は出口を見つけることが出来たけど、そこで目が覚めたから、摩耶はどうなったかわから……」


そこまで光星が言った時だった。


海琉が立ち上がったと同時に、拳が私の前を通り過ぎて、光星の頬にめり込んだのだ。