「かはっ!はぁ……はぁ……な、なに?夢?」
あまりの息苦しさに目を覚ました私はベッドの上。
部屋は照明が点いたままだったけど、それがなくても明るいとわかる。
ああ、朝になったんだと、布団を捲って起きようとしたけど……汗が凄い。
もう、このままシャワーでも浴びたんじゃないかと思うくらいにびっしょりだ。
「あんな夢を見たら、そりゃあこうなるよね。それにしても怖い夢だったな」
夢の中に現れた「白い物」。
あの顔を思い出すだけでも、怖くてブルッと身震いをしてしまう。
スマホを見ると朝7時。
アラームが鳴る15分前だけど、もう少し寝ようなんてとても思えなかった。
万が一、もう一度あんな夢を見てしまったら。
そう考えると、眠い目を擦りながらベッドから足を下ろして立ち上がった。
「いたっ!」
足の裏に感じる痛みに、思わずベッドに腰を下ろす。
画鋲でも踏んだかなと、足の裏を見てみると……細かな切り傷がおびただしい数付いていたのだ。
特に深い傷はないけれど、痛みを感じる程度の傷がいくつか。
でも、こんな傷、いつ付いたのかがわからない。
全く心当たりがなかったのだから。