放課後になり、二人が運ばれた病院に到着した。


光星は左手を切断していたこともあって、かなり危なかったみたいだけど、なんとか一命を取り留めたようだ。


摩耶の病室、ドアのノックして中に入ると……頭に包帯を巻いた摩耶が、驚いた表情を私に向けた。


「若葉……いや、入って来ないで!私、酷い姿だから見られたくない!」


そう言うと頭まで布団を被って、私達を拒絶する。


こんな時、なんて声を掛ければ良いんだろう。


海琉の顔を見ると、困ったような表情で。


「すまん若葉。俺は出てるわ」


流石に海琉も空気を読んだのか、ドアが閉まる前に廊下に出た。


「えっと……摩耶。呪いは解けたよ。皆のおかげで、もう二度と誰も悪夢に苦しむ事はないんだよ」


こんなことを言ったって、摩耶がどう答えるかなんて想像はついていた。


悪夢から逃れる為に、自分と光星の身体を切り刻んだ摩耶が何と言うかなんて。


「苦しむことはない?私はあの悪夢のせいで今でも苦しんでるのに!こんな姿になって、どうやって生きていけば良いのよ!光星だってきっと、私のことを恨んでる!こんな醜い私を、誰が好きになってくれるのよ!」