~三日後~


あの出来事の後、家に帰った私は二日間目を覚まさなかった。


悪夢のせいでずっと眠れなかったからか、ご飯を食べたら眠ってしまったようで。


お父さんもお母さんも、弟の紅葉も心配していたようだけど、私はというと頭がスッキリして気分は爽快だった。


夢の中で篠目ふみに返したノート達。


あれはきっと、ノートや日記を返したのではなく、その呪いの力を返したんだろうな。


車の中で目を覚ますと、私の膝に乗っていたはずのそれらはなくなっていて、実感として篠目ふみに戻ったんだと思ったから。


病院に運ばれた摩耶と光星はどうなったかというと、結論を言えば、なんとか二人の命は助かった。


でも、その傷跡は酷くて、後遺症も残るだろうとのことだった。


摩耶に至っては、まだ高校生なのに額の皮を剥がしたんだ。


その傷跡を見る度、今回のことを思い出すかもしれないし、また絶望して死にたいと思うかもしれない。


それでも、光星がずっと一緒にいてくれるなら、少しは慰められるのかな。


二人はまだ入院中で、学校には登校していないけれど。


私と海琉は、いつもと同じように学校に来ている。


少し変わったことと言えば、海琉が授業中に居眠りしなくなったことくらいかな。