「ア、アア……アアアアアアアアアアアッ!!」
突然ノート達が、砂のようになって崩れ落ちて。
白い物がどす黒く染まって行く。
真っ黒な影のようになった白い物が、私に手を伸ばそうとしたけれど、和田先生が咄嗟に私を突き飛ばしたのだ。
白い物の手が、和田先生の首を掴む。
「あぎっ……がが……」
その光景は、私の頭が理解するにはあまりにも凄惨なものだった。
和田先生の首を掴んだまま、後方にゆっくりと押し込んで。
ボキボキという音が聞こえ、和田先生の身体が不自然な形に曲がって行く。
そして、白い物の左手が和田先生の腹部に触れると、まるで風船が弾けるかのように、和田先生のお腹から内臓と骨が飛び出したのだ。
「ひっ!!」
「うっ!」
普段なら大声を上げるところだけど、声すら出せないような重い空気に包まれていて。
「あが……がが……」
その内臓が飛び出した腹部に顔を埋め、シャクシャクと音を立て始めた。
口にはドクンドクンと脈打つ心臓。
それを強引に引っ張り出して……白い物は、和田先生の心臓をゴクリと飲み込んだ。
ピクピクと身体を痙攣させて床に倒れ込む和田先生。
次は……私達。
そう言わんばかりに顔をこちらに向けて、ゆっくりと近付いて来たのだ。