「ふざけんなよ!後どれくらい先生の推測に付き合えば終わるんだ!?こっちはな、もう限界なんだよ!いい加減に……」


「私、やります」


海琉が、今にも和田先生に殴り掛かりそうな剣幕で怒鳴っている中で、私はそう呟いた。


そんな私に、戸惑った様子で。


「お、おいおい待てよ。どうするつもりだよ。日記かノートとか、悪夢の中にはないんだぜ?どうやって返すつもりだ?それにだな……」


「どうすればいいかなんてわからないよ。わからないからやるんでしょ。それに言ってたじゃない。このまま呪いが解けないなら、どの道私達は死ぬんだって。だったら、やれることをやろう。海琉は、私と一緒にいてくれるんでしょ?」


私がそう言うと、海琉は大きな溜め息をついて。


「わかったよ。やりゃあいいんだろやりゃあ。若葉一人で行かせるわけにはいかねぇしな。でも、これが最後だぞ。悪夢を見るのは、これが最後だ」


「うん。ありがとう」


海琉がそう言ってくれたことが嬉しくて。


私は海琉と手を繋ぐと、ノート達を膝の上に置いた。


「すまない。僕も行くから。丸山、ほんの少しの間、僕達は眠らせてもらうよ」


「わかりました。待ってます」


その丸山さんの声を聞いて目を閉じた私は、あっという間に眠りに落ちた。