「い、いた……彼女が篠目ふみ……」


コンクリート片を次々と退かすと、その全身が露になって行く。


セーラー服に包まれた、白骨化した遺体。


それが、名前しか知らない篠目ふみという女子生徒だと私達は理解した。


「ノ、ノブリン……こ、これは警察を呼ばなきゃならないやつですよね」


「あ、ああ。警察に電話しよう。でも、その前にまだやらなければならないことがある。神崎さん」


和田先生に促されて、私はノート達を手に、ゆっくりと篠目ふみの遺体に近付いた。


屈んで、手を合わせて。


そっと、その遺体の上にノート達を置いて。


「あなたは篠目ふみ。もうすぐ家に帰ることが出来るからね。だからお願い……もう、全部終わりにしよう」


そう囁いた。


だけど、何かが変わったような感覚はない。


呪いを解くって、こんな感じなのかなと思って、振り返ろうとした時だった。


篠目ふみの遺体の上に置いた日記が、パラパラと捲られて……何も書かれていないページに、文字が浮かび上がって来たのだ。


「な、なんだ!?これで終わったんじゃないのか!?何が起こってるんだ!」


「し、知るかよ!!先生が言ったんじゃねぇのかよ!!」