どんどん床が削られる。


その都度噴き出す血に、言いようのない不安を感じる。


「ね、ねえ。本当にこれ、大丈夫なの?なんだか怖いよ……」


「こ、ここまで来て何言ってんだよ。気持ち悪くても怖くても、やるしかねぇだろ」


それはわかってる。


ここに埋まっているであろう、篠目ふみを掘り返して、家に帰さなければならない。


それがこの呪いの終わりかどうかはわからないけど、やらなければそれすらわからないのだと。


「ふぅ……ここまでやれば、後はつるはしで掘り起こせるでしょう」


床に穴があいて、そこから血が噴き出している。


これを掘り起こさなきゃならないのか。


チラリと和田先生の顔を見ると、顔面蒼白で。


さすがにここに篠目ふみがいると思うと、その死体を掘り起こすのが嫌なのはわかるけども。


「え、ええいっ!やってやる!やってやるぞ!僕の……僕達の悪夢をここで終わらせるんだ!そうさ!終わらせてやるんだ!!」


とうとう覚悟を決めたのか、和田先生が手に構えたつるはしを床の穴に差し込んで。


コンクリート片を剥がすように、つるはしを引いたのだ。


その下から現れた、黒い布のような物。


ボロボロになっているけれど、それは恐らくセーラー服だった。