何とか一階にやって来た私達。


やはり白い物は階段の踊り場で動きを止め、一階にやって来る様子はなかった。


削岩機の音が激しく、ボロボロと天井が崩れている中で、私達は例の場所に戻って来た。


「持って来たぜルーズリーフ!そっちはどうだよ!」


「野澤くん、神崎さん!早かったじゃないか!こっちは……思ったより進んでいなくてね。でも、もうすぐだと思う!」


と、和田先生が視線を床の盛り上がりに向けた時だった。


削岩機が、床の中の空洞に到達したのか、音が変わった。


その瞬間。






「ぎゃああああああああああああああああっ!!」






そこから噴き出す悲鳴と赤い液体。


まるで噴水のように、丸山さんを赤く染めるけれど……当の丸山さんは何事もないかのように。


「ひぃぃぃぃっ!!ま、丸山、だ、大丈夫か!!」


その声と光景に悲鳴を上げた和田先生。


「大丈夫かって、何がです?」


和田先生に首を傾げてみせ、再び削岩機を別の場所に当てて、再び床を削り始めたのだ。


「い、今の何なんだよ!それにこの血は……」


丸山さんの様子を見ると、海琉だって気付いているに違いない。


これは、私達にしか見えないのだと。