廊下を走り、二階に上がって、海琉の姿を探す。


「ルーズリーフを回収したよ!海琉!どこにいるの!?」


声を出してその返事を待つと、隣の教室から声が聞こえた。


「おう、今行くぜ!」


白い物を上手く誘導して、教室の中に入ったのだろう。


ゆっくりと廊下に出て、ドアを閉めた海琉。


その瞬間、ドンドンとドアの内側から激しい音が聞こえた。


「早く!こっち!」


海琉の代わりに私が白い物を見る準備は出来ている。


私のその声に頷き、こちらに向かって駆け出した。


その直後、ドアが倒れて、中から白い物が現れた。


動きを止める為に、ジッとその姿を見詰める。


「助かったぜ若葉。ちょっと待ってろよ」


私の肩をポンと叩いて、渡り廊下の方に走って行く。


そして、「階段まで走れ」という声を聞いて、私は渡り廊下の向こうにある階段へと走った。


白い物は、なぜだか知らないけれど一階にはやって来ない。


もしかすると、篠目ふみを恐れているのかな。


夢の中で見た篠目ふみは、他の白い物とは全く違う恐ろしさを感じたから。


でも、それももう終わる。


この呪われたノート達を、篠目ふみに還せば。