今来た道は、白い物がいるかもしれない。


そう考えて、私達は目の前にある階段を上って二階に。


一旦外に出て……とも考えたけど、木の板が打ち付けてあって、それを壊す時間が勿体ないなんて思ってしまったから。


眠くて判断力がかなり低下している。


「それにしてもすげぇ振動と音だな。こりゃあ、本当に校舎が崩れそうじゃねぇかよ」


まあ、実際にはそう簡単に崩れるとは思わないけど、この廃校に限っては、海琉が言うように崩れてしまいそうな不安があった。


「その前に終わらせよう。もうゴールに辿り着いたんだから」


ここから先は、たとえ白い物に何をされたとしてもやるしかない。


足を千切られても、首を飛ばされても、幻覚なんだから。


強い気持ちを持っていれば、死にはしない。


本当に死ぬより全然マシだ。






「行かないでぇ……ほら、もう眠ろうよぉ」





首で話し始める印が鬱陶しい。


パシンと首を叩き、何とか気をしっかり保つ。


「よし、走るぞ!そんなに遠くはねえ!回収して、すぐに戻るぞ!」


「うん!」


海琉が私の手を取り、ギュッと握ると、長い廊下を走り始めた。