そして、ついに廃校に到着した。


車から降りた私達は、丸山さんに手渡された道具を手に校門の前に立つ。


「先生は篠目ふみが、若葉が白い物を見た場所にいると思ってんだな?」


「わからない……わからないが、怪しいと思った場所を掘り返すしかない。そこがダメなら、他の怪しい場所だ」


「まあいいや。これがダメならどの道、俺達は詰むんだからな。じっくり考えてる暇なんてねぇからよ。先生の勘、信じるぜ」


ハンマーを肩に担ぎ、バシッと先生の背中を叩く海琉。


つるはしを持った先生は、その一撃でバランスを崩してよろめいた。


「じゃあ、行くよ。もしも違ったら皆ごめん!」


そう言い、私達は校門の横のバリケードを抜けて、敷地内に入った。


前回来た時と同じように、来客用玄関に向かって。


ガラスが割れたドアから校舎内に入ると……感じる、身体中にまとわりつくようなドロッとした重い空気。


「うっ!な、なんだこの空気は……まるで水の中にでもいるような……」


「ああ、こりゃあいよいよって感じだよな。でも、足を止めてなんていられねぇ。俺達はもう限界なんだよ、眠気も、空腹もな」


この酷く重い空気の中、私達は歩き始めた。