車に移動しながら、私達は先生に何があったのかを聞いた。


どうやら、日記を回収する前に白い物に襲われ、噛み付かれたけれど、白い物は消えるわけでもなくずっと死の苦しみを与え続けられたようで。


その苦痛の中、何とか日記を回収して白い物を振りほどいたけれど、追い付かれては噛み付かれてを繰り返して、逃げる為に窓ガラスを突き破ったということだ。


「で、今からどうするんだ?篠目ふみの死体がどこにあるかなんてわからねぇんだろ?悪夢の中で出口を探すのとはわけが違うんだぞ」


「あ、ああ……僕は思うんだ。いや、確信しているんだよ。あの、篠目ふみの『呪い』とも言える悪夢。白い物の言葉も、知ってはならない言葉も、全て篠目ふみに繋がっている。無意味な物なんて何一つとしてないんだ」


その話を、私達だけではなく丸山さんも不安そうに聞いている。


こんなに強そうな人が、こんな表情をするなんて思わなかったな。


「ノ、ノブリン……何か関わり合いになりたくないことに俺を巻き込もうとしてませんか?筋肉で解決出来ないことは苦手なんですけど」


「すまない丸山。どうしてもキミの協力が必要なんだ。僕だけじゃない、神崎さんと野澤くんの命も助けると思って……頼む」


「ま、まあ、ノブリンがそう言うなら。それに、野澤を失うのは惜しいですからね。わかりました。なんだってやりますよ」


……わ、私は?


なんだか丸山さんの目には私は映ってないように思ってしまうな。