和田先生のダイブを見て、慌てて花壇に駆け寄った私達。


ピクピクと動く和田先生のその手には、しっかりと日記が握られていて、必死だったのがわかる。


「おい!大丈夫かよ先生!」


「う、うーん……だ、大丈夫さ。しっかり受け身は取ったからね。ただ、無理はするもんじゃないね」


二階から飛び降りたら、打ちどころが悪かったら死んじゃうよ。


それでも大丈夫だということは、ここまで和田先生の計算の範囲内ということなんだろうか。


「丸山もありがとう。ここからはキミの力も必要になるから、頼りにしているよ」


痛そうに身体を動かしながら、丸山さんを見た和田先生。


「それはいいですけど。一体何をするつもりですか?車の中で詳しい話は聞きますけど」


私達だけじゃなく、丸山さんにも手伝ってもらわなければならないんだ。


確かに私達は、白い物に襲われるし、丸山さんが襲われないというなら手伝ってもらえるのはありがたい。


「それにしても無茶だぜ先生。なんだって二階の窓から飛び出したんだよ。アスファルトに落ちてたら死んでたかもしれねぇぞ?」


「い、いや……恐ろしかったよ。この短い時間に何度も噛み付かれてね。痛みに耐えかねて飛び出した先が花壇で本当に良かった」