「ぎぃやあああああぁぁぁぁぁっ!!あ、悪霊退散!悪霊退散!ひえぇぇぇっ!!」





校門付近にいても、校舎内の和田先生の悲鳴が聞こえてくる。


私達と同じように、白い物に襲われているのか。


「随分派手な悲鳴を上げてるな。やっぱり行くべきだったか?」


心配と言うよりは呆れたような表情で、校舎の方を見る海琉。


「大丈夫だろう。ノブリンは臆病だからな。臆病がゆえに、危険には敏感だ。だから心配するな」


ポンッと海琉の肩に手を置き、穏やかな微笑みを浮かべた丸山さん。


だが、次の瞬間。




「ひ、ひえええぇぇぇぇっ!!」




ガシャンという、窓ガラスが割れる音と共に、和田先生が校舎の二階の窓から外に飛び出したのだ。


落下地点は花壇があって、その上に背中から落下する。


「お、おいおい!めちゃくちゃ危険なことしやがったぞ!何考えてんだあの先生は!」


「う、うーむ。いつも俺の想像を超えるからな、ノブリンは」


「なんて冷静に言ってる場合じゃないでしょ!丸山さん、先生を運んで!」


今の落ち方は、白い物に投げ飛ばされたのか、それとも恐怖のあまり和田先生が飛び出したのかはわからないけど、かなり危ないんじゃないかな。