「い、今の何……」


あまりに想像を絶する光景に、それくらいしか言えなかった。


「知るかよ。多分あれだろ。終わりに近付いてるって、あいつらもわかってんじゃねぇの?」


だったら、邪魔をしないでほしいよ。


どうして私達の邪魔をするんだか。


「でも、ノートは回収出来たね。この様子だと、和田先生もどうかわからないけど……」


「あの先生なら何とかするだろ。校門に行くぞ」


その言葉は予想外だった。


いつも怯えてて、空気を読まない頼りない先生という印象を私は持っていたのに。


海琉も結構馬鹿にしてたと思ったけど、本心は違うのかな。


教室を出て、生徒玄関に向かっていると……前に誰かいる。


学校指定の制服に、奇妙な立ち姿。


こちらに背を向けているけど、白い足と手が見えていて。





「月菜……」





私がそう呟いた瞬間、首だけがグリンと180度回転し、不気味な笑い顔が私達を見たのだ。


「う、うおっ!気持ち悪ぃ!!」


そして、首から下を徐々に回転させて、私達と向き合うように、前方に立ちはだかったのだ。





「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!」




笑いながら、恐ろしい速度で距離を詰める。