「悪夢、そして日記と実際にあった事件。それに木之本くんが聞いた白い物の声。それらをまとめると、ひとつの真実に突き当たるというわけか。なるほど、悪夢から逃げ出した僕が、真実に辿り着けなかったわけだ」


「でも、篠目ふみがどこにいるのかがわかりません。日記には、冷たくて重いって書いてあったから、そういう場所なんでしょうけど」


冷たいと言うなら、プールとか池とか?


重いというなら、重りでも付けられて……かなと思ったけれど、和田先生の言葉は私の考えを否定した。


「水の底かなと思ったけど、あの学校にはそんなに深い水場はない。プールなんかだと、すぐに見つかるだろうからね。となると……どこだろう。神崎さん、そう言えば、とんでもない白い物を見たって言っていたよね?」


そう言えば、校舎の中で聞くと言ったまま和田先生に話してなかったな。


「え、ええ。最初は上半身で、私に近付く度、ゆっくりと床から出てくるみたいに脚が現れました。真顔で……笑ってなくて。それで、私の心臓を引っ張り出して食べられました」


その時のことを思い出すだけで、胸が苦しくなって呼吸が荒くなる。


それくらい苦しくて、生を削り取られているような感覚さえある。