光星と摩耶に何があったかを和田先生に話すと、電話越しでも驚いたのがわかった。


『な、な、なんだって!?まさか……そんな!僕のせいだ。僕が印を剥ぎ取れば悪夢を見なくなるなんて言ったから……なんてことだ。キ、キミ達は大丈夫かい!?まさか、そんなことをしようなんて考えてないだろうね!落ち着くんだ、そんなことをしても解決なんてしないよ!!落ち着いてぇぇぇぇぇっ!!』


「いや先生、あんたが落ち着けよ。俺達はあんなことをするつもりはねぇよ。生きる為ならなんだってやってやる。考えろって言うなら考えてやるから、先生も考えながら戻って来てくれよ。俺達じゃあ、考えが足りないかもしれないからよ」


取り乱す先生に、海琉が呆れたように言い放った。


その言葉に少し落ち着きを取り戻したのか、和田先生の呼吸音が聞こえた。


『ふぅ……すまない。こんな時は大人の僕がしっかりしなければならないというのに。わかった。急いで行くよ。野澤くんの家で良いのかな?それまでキミ達で考えていてくれ!』


「わ、わかりました」


そう言って通話を終了させたものの……どこまで考えればいいんだろう。


情報としては、これで全部出たと思うし、「篠目ふみ」という人物が行方不明になっていると言われても、その先の情報は何もないのだから。