そう思えたのも、海琉が一緒にいてくれると言ったから。


それは想像以上に私の心を強くしてくれたし、まだ頑張れると思わせてくれた。


しばらくして、海琉が二階に上がって来た。


「ふぅ……危なかったぜ。風呂場で寝る所だった。若葉はどうだよ?寝なかったか?」


「だ、大丈夫……眠くて堪らなかったけど」


「そうか……って、おいっ!何なんだよその手は!!」


驚いたように声を上げた海琉。


気付けば手の甲はボールペンのインクで真っ黒になっていて、それだけつついていたんだなと自分でも驚く。


「あ、ああ。大丈夫大丈夫。眠くならないようにつついてただけだから。はは」


「そんなに眠かったのかよ………で、先生から連絡は来てないのか?」


そう言えば、眠気に耐えるのに必死で全然スマホを見てなかった。


ポケットの中のスマホを取り出して見てみると……着信が15件!?


いや、私はどれだけ気付かなかったのよ。


というか、こんなにも掛け直す先生も少し恐ろしい感じがする。


まあ、こんな状況だから仕方ないか。


「物凄く来てた……何か掴んだのかな?」


「そうかもな。掛けてみろよ」