「はは……私の夢なのに、皆いるんだね。一人じゃないのは良かったけど」


皆、いかにももう寝ますといった格好で、摩耶と私なんかパジャマで少し恥ずかしいな。


「何をバカなことを言ってるんだ。これが『シロイユメ』なら、出口を探さないとだろ。それと、白い物は絶対に見るんじゃないぞ」


でも本当に、夢の中でも皆がいてくれるのは安心するな。


夢特有の現実的じゃない感覚があるし、これは夢なんだってわかる。


「それにしても何なのこのピアノの音。頭の中に響いてるみたいで気持ち悪いよ……」


「まあ、こんなボロい学校でピアノなんて弾いてるやつがいるわけないよな。だからこれは夢だ。間違いねぇ。夢なら夢で、さっさと行こうぜ」


摩耶が怖がっているのに、海琉は強がって部屋から出ようとする。


「ま、待ってよ海琉!」


さっさと移動を開始する海琉を追うように、私達も移動を始めた。


部屋から出ると、天井が崩れ落ちて、床に破片が散乱している廊下。


この部屋は一番端の教室のようで、この長い通路を歩かなければならないのか。


廊下の途中にも通路があって、結構広い学校なんだなということがわかる。


どことなく、うちの学校に似てはいるけど、なんだか違うような気がする。


「さて、出口と言えば普通は一階の玄関だな。ダメ元で行ってみよう」


何もわからない状況で、光星に反論する人は誰もいなかった。