腰を抜かしたお母さんに、それを頼むのは酷だと思ったけれど、お母さんは声を上げながら這って電話の場所へと向かった。


「なんで……なんでお前らはこんな事をしたんだよ!!そんなことする勇気があるなら、俺達と一緒に呪いの起源を調べれば良かったじゃねぇかよ!!」


這い寄る摩耶に近寄り、手から包丁を奪ってベッドの方に放り投げた海琉。


「だって……だってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだって!!もう見たくなかったんだもん!怖くて怖くてたまらなくて、殺されて殺されて痛くて苦しくて!何度も何度も、何度も何度も何度も何度も!死ぬ苦しみを味わうくらいなら、印を剥がした方がいいじゃない!!海琉も若葉も、私とずっと一緒にいてくれなかった!一緒にいてくれたのは光星だけだよ!!光星は一緒に死んでくれるって言ったよ。一人にはしないって!!」


もう、どうしようもない絶望に叩きのめされたんだなって、その言動からわかる。


光星が言った言葉は、海琉と真逆の言葉で……。


もしも私が誘った時、海琉が光星と同じことを言ったら、私達もこうなっていたかもしれない。