「な、何この日記……こ、この持ち主が書いたの?そんなはずないよね。だってこの人、殺されたって書いてある……」


不気味な雰囲気……身体を撫でられているかのような、気持ち悪い感覚だ。


「そんな馬鹿な事があるかよ……そもそもこれは、進波音の妹の物じゃねぇのか?だったら、その妹が書いたんだろ」


「い、いや。昭和55年なんて、僕だってまだ生まれていない。となると、波音の妹だって当然生まれてはいないから、これは妹のものじゃない」


ずっと何かを考えていた和田先生が、我に返った様子で首を横に振ってそう答えた。


そうなると、もっとわからなくなってきた。


眠気で頭が回らないだけなのか、本当にわからないのか。


「じゃあ、これは誰の日記なの?やっと進波音の妹に辿り着いたと思ったのに……ますますわからなくなっちゃったよ!」


今度こそ、もう終わりなのかな。


調べれば調べるほど、わけのわからない事実に突き当たって。


どこまで行けば終わるのかが見えない。


「何言ってんだ若葉。これが進波音の妹のものじゃなくて、早瀬も俺も、こいつに呼ばれたっつーならよ、これこそが……俺達のゴールなんじゃねぇのか?」