学校に着いた私達は、先生が来るのを待った。


日曜日の朝。


部活動の為に来ている生徒はいるけど、それは運動部ばかりで。


校舎の中に先生はいるけれど、私服の私達は見付かれば怒られてしまうから。


まあ、そんな事を言っている場合ではないのだけど、鍵が必要な教室を調べるかもしれないから、和田先生の協力は必須なんだよね。


「お、お待たせ!大丈夫かいキミ達!」


そんなことを考えていると、和田先生が年季の入った自転車を漕いでやって来た。


「全然大丈夫じゃねぇよ!悪夢は終わらねぇし、若葉なんてとんでもねぇ白い物に遭遇したんだぞ!」


息を切らせて私達の前に自転車を止めた和田先生。


「とんでもない白い物……だって?いや、その話は校舎に入ってからしよう。ついてきてくれ。僕に心当たりがある」


「心当たり?先生は、月菜がどこに行ったか知っているんですか?」


「……早瀬さんが音楽室に来た話はしたね?その時にね、呟いているのを思い出したんだ。もしかしたら違うかもしれないけど、行ってみる価値はある」


もう、私達ではどこを探せば良いかもわからないから、和田先生が知っていると言うなら、それに頼るしかなかった。