「い、いや、違いますよ!海琉っす!野澤海琉!ほら、昨日車に乗せてもらった」


『お?おお!少年か!どうした、俺と共にマッチョな人生を歩む気にでもなったのかな!?』


「そ、そうじゃないんすけど……それより大変なんすよ!和田先生の連絡先を教えてください!」


和田先生も変わった人だけど、この丸山さんもかなりおかしな人だよね。


話を聞いてる分には面白いけど、海琉は災難に思う。


『なにぃ?個人情報だからな。あまり気は進まんが……そんなに大変なのか?どれくらい大変なんだ?』


「え!?えっと……どれくらい!?」


一体何のやり取りをしているんだろう。


海琉も凄く悩んで、答えを出そうとしている。


「き、筋トレ後に飲むプロテインが切れてた時くらい……大変っすかね」


「いや、それ大変なの!?買いに行けばいいだけじゃない!」


二人のおかしなやり取りに、思わず突っ込んでしまったよ。


学校に着くまで時間があるから、話をしてるのは良いんだけどさ。


私にはその大変さが伝わらないよ。


『なぁにぃっ!?そ、それは一大事じゃないかっ!!よしわかった!番号を教えるぞ!メモしろメモ!』


いや、伝わってた!?


プロテインが切れるのってそんなに大変なことなの!?


私には全く理解出来ない……。